115B33

26歳の男性。研修医。診療中にHIV抗原・抗体陽性者の体液に曝露したことを指導医に報告してきた。オートバイの転倒事故による多発外傷で救急搬送された38歳の男性患者の診療をした。意識障害のため当初は患者の基本情報がなかったが、駆け付けた患者家族によりHIV感染者であることが判明した。事実が判明するまでに、研修医は気管挿管、末梢静脈路の確保、血液検体採取、尿道カテーテル留置を行った。いずれも標準予防策として手袋、サージカルマスク及びプラスチックエプロンを着用した。針刺しなどの受傷はないが、尿道カテーテル留置の際に腕の皮膚に患者の尿が飛散した。

研修医に対する指導医の対応として誤っているのはどれか。

尿が付着した皮膚を流水と石けんで洗浄させる。
尿が付着した皮膚に外傷がないか確認する。
患者の血液が付着していないか確認する。
直ちに抗HIV薬の内服を開始させる。
研修医の心理的反応に配慮する。

解答: d

115B33の解説

【プロセス】
①研修医
②診療中にHIV抗原・抗体陽性者の体液に曝露
③尿道カテーテル留置の際に腕の皮膚に患者の尿が飛散
③より非血性であり、感染のリスクはかなり低い。が、もちろん絶対に大丈夫とは言い切れないため、標準的な対処を行う。

【選択肢考察】
a なるべく早く、まず洗浄する。
b 外傷が存在した場合、感染リスクが上昇するため、確認が必要。
c 血液が付着していた場合、感染リスクが上昇するため、確認が必要。
d 誤り。針刺しなどの高リスク状況を除き、予防内服は必要ない。
e 本人の精神的負担はリスクの数値で推し量れないものがある。心理面での十分な配慮が望ましい。

正答率:99%

テーマ:HIV患者の体液に曝露された直後の対応

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