114F15

用具の写真(①〜⑤)を別に示す。

頸髄損傷によって第6頸髄レベル以下の機能が障害されている患者が使用する自助具はどれか。

解答: b

114F15の解説

C6より末梢側の機能障害では寝返りやプッシュアップが不能となる。一方、C5より中枢側の機能は生存しているため、呼吸機能や肩の運動は可能である。なお、設問文に「自助具はどれか」とある。実は法律的・制度的に「自助具」と分類されるものは選択肢中、1つしかない。
a インセンティブスパイロメトリーと呼ばれ、呼吸訓練に用いられる。本患者では呼吸機能(C4以上の機能)は保たれていると考えられるため、不要。一般医療機器に分類される。
b 正しい。ユニバーサルカフと呼ばれ、バンドを手に固定してフォークやスプーンの使用時に用いる。手首や手指の運動は主にC6〜8で担われるため、本患者に有効である。自助具に分類される。
c 電動車イス。手先のジョイスティックで使用するタイプであり、手指の運動が困難と考えられる本患者では使用できない。補装具に分類される。
d ポータブルスプリングバランサー〈PSB〉と呼ばれ、上肢の重さを軽減するために用いられる。本患者ではC5(上腕二頭筋や三角筋の支配)機能が生存しているため、不要。補装具に分類される。
e 電動移乗リフト。体幹を包み込み、持ち上げ、患者を移動させる際に用いる。本患者ではC5より中枢側の機能が生存しているため、ある程度まで自力での移動が可能と考えられる。そのため、不要である。日常生活用具・福祉用具に分類される。

正答率:63%

テーマ:C6以下の障害がある患者が使用する自助具

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