113F84

19世紀のロンドンで、激しい下痢を伴う、後にコレラと判明する疾患が大流行した。疫学者のJohn Snowは水道水との関連を疑い、詳しい調査を行った。調査の結果の概要を以下に示す。なお、表中のA、Bは異なる水系を持つ供給元である。

供給元 死亡数(人) 人 口(人)
A 810 150,000
B 18 24,000

この疾患の死亡に関するAのBに対するリスク比を計算せよ。

ただし、小数第3位以下の数値が得られた場合には、小数第3位を四捨五入すること。

解答:①.②③

解答: 7.20

113F84の解説

「リスク比」と聞かれているため、当惑した受験生が多かったようだ。「Bに対するAの相対危険度を求めよ」と示してあれば解きやすかったかもしれない。
どのテキスト類にも載っているであろう、おなじみの表を書こう。ここで求められているのは「Bに対するAの相対危険度」なので、便宜上「曝露あり」をAとみなして考えていくこととなる。

           死亡  死亡せず   計
水道水への曝露あり  810   149,190  150,000
水道水への曝露なし  18    23,982  24,000
   計       828   173,172  174,000

上表より、Ie=810/150,000。Io=18/24,000。
相対危険度はIe/Ioで算出される。この値を実際に計算すると、7.2と導かれる。
本問でいやらしいのは小数点以下第2位まで③の形で問うていることだ。7.20と読み替えてゼロを入れるのが正しいのだが、計算に自信が無いと不安を覚えてしまう者もいるだろう。

正答率:92%

テーマ:リスク比の算出《計算問題》

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