113F15

上行大動脈に付いているCの字の様なものは血管吻合の印であり、血管造影検査の目印となるものである。右冠動脈と左回旋枝にバイパス血管が吻合されている。矢印が示す血管は内胸動脈である。
ａ　主幹部には通常バイパスしない。なぜなら、主幹部病変では十分に血管吻合できるスペースをとりにくいし、前下行枝や回旋枝に狭窄がある場合には主幹部につないだところで無意味だからである。
ｂ　正しい。最も灌流域が広く心尖部まで栄養している血管が前下行枝である。最も重要な血管のため、開存率の高い内胸動脈を吻合する。
ｃ　対角枝は前下行枝のバイパス吻合部より中枢から分岐している枝のことである。
ｄ　回旋枝は大動脈に吻合したバイパス血管が繋がっている。
ｅ　右冠動脈は十分に描出されていない。右冠動脈は近位部で閉塞しており、バイパス血管も閉塞している可能性を考える。