111H28

62歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。1か月前に呼吸困難が出現し、増強してきた。喫煙は30本/日を40年間。体温36.4℃。脈拍104/分、整。血圧132/86mmHg。呼吸数24/分。SpO2 92%(room air)。心音に異常を認めない。呼吸時に胸郭の動きに左右差を認める。左胸部の打診は濁音を呈し、聴診では左肺の呼吸音が減弱している。

考えられるのはどれか。

気胸
肺炎
肺気腫
無気肺
肺塞栓

解答: d

111H28の解説

呼吸困難を主訴に来院した62歳男性。酸素化不良と胸郭運動の左右差、左肺の呼吸音減弱から無気肺を考える。喫煙歴があり、徐々に進行していることから肺癌による腫瘍性閉塞が疑わしい。
a 気胸であれば突然呼吸困難が出現する。また、やせ形の若年男性に好発する。
b 肺炎であれば発熱と咳嗽、喀痰を伴うことが多い。
c 肺気腫であれば両側性に呼吸音の減弱を認め、打診では鼓音を呈する。
d 正しい。上記の通り。
e 肺塞栓であれば急性発症となり、胸郭の動きの左右差や濁音を呈さない。呼吸音にも異常を認めない。

正答率:96%

テーマ:無気肺(腫瘍性疑い)の診断

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