111C28

次の文を読み、28、29の問いに答えよ。

78歳の女性。意識障害のため救急車で搬入された。

現病歴:7月下旬、快晴の日の午前10時ごろ自宅の暑い居間でぐったりしていたのをデイサービスの職員が発見し、救急車を要請した。

既往歴:不明。

生活歴(職員からの情報):冷房装置のない一戸建てで独居。喫煙歴と飲酒歴はない。

家族歴:不明。

現 症:意識レベルはJCS III-100。身長145cm(推定)、体重40kg(推定)。直腸温42.0℃。心拍数116/分、整。血圧84/46mmHg。呼吸数24/分で浅い。SpO2 100%(リザーバー付マスク10L/分酸素投与下)。皮膚は乾燥している。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。瞳孔径は両側3mmで、対光反射は両側遅延。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。

検査所見:血液所見:赤血球510万、Hb 17.5g/dL、Ht 49%、白血球12,400(桿状核好中球12%、分葉核好中球43%、好酸球2%、単球6%、リンパ球37%)、血小板24万。血液生化学所見:総蛋白8.5g/dL、アルブミン4.2g/dL、総ビリルビン1.2mg/dL、AST 43U/L、ALT 32U/L、LD 251U/L(基準176〜353)、尿素窒素23mg/dL、クレアチニン1.8mg/dL。

この患者への対応として適切でないのはどれか。

呼吸心拍監視
体表クーリング
動脈血ガス分析
解熱剤の経肛門投与
尿道カテーテル留置

解答: d

111C28の解説

高齢女性の意識障害。冷房装置のない一戸建てで独居しているが、7月下旬、快晴の日に自宅の暑い居間で発見された。熱中症であろう。
a バイタルの確認は重要である。
b 熱中症の対応としてクーリングは重要である。
c 酸塩基平衡や酸素・二酸化炭素の評価をすべく動脈血ガス分析は重要である。
d 誤り。解熱剤の経肛門投与は緊急にクーリングさせる処置には向かない。
e 循環の指標として尿量を評価することは重要である。また、輸液を行ったケースではそれに対する反応も確認することができる。

正答率:86%

テーマ:【長文1/2】熱中症患者への対応

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