110E49

61歳の女性。尿失禁を主訴に来院した。3年前から遺伝性脊髄小脳変性症で治療を受けている。2か月前から突然の尿意を伴わない尿失禁が出現したため受診した。くしゃみでは尿は漏れない。意識は清明。構音障害、協調運動障害および失調性歩行がある。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。尿所見:蛋白(−)、糖(−)、沈渣に赤血球1〜4個/1視野、白血球1〜4個/1視野。腹部超音波検査で残尿を認めない。
考えられる尿失禁の種類はどれか。
溢流性
機能性
切迫性
反射性
腹圧性

解答: d

110E49の解説

遺伝性脊髄小脳変性症による脊髄障害で反射性尿失禁を呈したと考えられる症例。具体的には、みられている症候から選択肢を1つずつ丁寧に消去していくこととなる。
a 溢流性尿失禁であれば残尿をみる。
b 機能性尿失禁であれば尿意がある。また突然出現する病態ではない。
c 切迫性尿失禁であれば尿意がある。
d 正しい。上記の通り。
e 腹圧性尿失禁であればくしゃみで尿が漏れる。

正答率:61%

テーマ:反射性尿失禁の診断

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