双胎には、一絨毛膜一羊膜〈MM〉双胎、一絨毛膜二羊膜〈MD〉双胎、二絨毛膜双胎〈DD〉の3パターンが存在する。MMとMDでは胎盤が1つ、DDでは胎盤が2つである。すなわち、胎盤の数と絨毛膜の数は一致する。しかし、胎盤の数と羊膜の数とは一致しない。なぜか。それは胎生7週ごろに絨毛膜の内側に存在する羊膜のレベルで双胎が分離することがあるためである(羊膜を共有するのがMM、別個に所持するのがMD)。ゆえに、選択肢の中からは胎生7週以前に観察される構造を選べばよい。 a 臍帯数は胎児の数に一致する。cに同じ。 b 8週未満の児を胎芽と呼ぶ。胎芽が観察された時点ではすでに上記の分離が終わっているため、この数と胎盤数とは必ずしも一致しない。 c 胎児数は双胎であれば必ず2つである。胎盤が1つのこともあるため、これらは必ずしも一致しない。 d 正しい。胎嚢は4週ごろから観察されるため、上記の条件をみたす。 e 上記の通り、羊膜の数とは一致しない。選択肢に絨毛膜があればそれは正解となる。 ※発生の過程を本質的に理解していないと正答は困難。それだけに良問と言える。