110A37

48歳の女性。難聴と耳鳴りとを主訴に来院した。3年前から徐々に増悪する両側の難聴と耳鳴りとを自覚していた。1か月前から会話が困難となり受診した。めまいの自覚はない。身長158cm、体重62kg。両側鼓膜に異常を認めない。尿検査と血液検査とに異常を認めない。オージオグラム(A)と右側頭骨CTの水平断像(B)とを別に示す。
この患者に対する治療として適切なのはどれか。
鼓室形成術
アブミ骨手術
免疫抑制薬投与
鼓膜チューブ留置術
副腎皮質ステロイド投与

解答: b

110A37の解説

中年女性の難聴と耳鳴り。めまいがみられないこと、画像Aにて2,000Hzの骨導低下(Carhart's notch)がみられることから耳硬化症を考える。画像Bでは脱灰像がみられる。慢性中耳炎を考えさせる乳突蜂巣の変化や、真珠腫性中耳炎を疑わせる骨破壊像、または腫瘍の存在は指摘できない。
a 慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎の治療である。
b 正しい。耳硬化症の治療である。
c 免疫・アレルギー性疾患の治療である(See 110A45)。
d 滲出性中耳炎の治療である。
e 突発性難聴の治療である。

正答率:55%

テーマ:耳硬化症の治療

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