109G48

5歳1か月の女児。低身長を主訴に母親に連れられて来院した。幼稚園の身体測定で低身長を指摘された。出生時は身長48cm、体重2,750g。出生後に特記すべき異常は認めない。発達は正常であった。身長95.9cm(−2.5SD)、体重12.5kg(−2.0SD)。体温36.8℃。脈拍96/分、整。血圧102/60mmHg。顔貌に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
この疾患を鑑別するのに有用でないのはどれか。
指の長さ
成長曲線
甲状腺機能
両親の身長
手単純エックス線写真

解答: a

109G48の解説

低身長(身長が-2.5SD、体重が-2.0SD)を主訴に来院した幼児。他に情報はなく、低身長に対する総合的なアプローチを図りたい。
a 誤り。Turner症候群では低身長かつ中手骨の短縮をみる。偽性副甲状腺機能低下症では低身長かつ第4・5中手骨の短縮をみる。Marfan症候群では高身長かつクモ状指をみる。こう列挙すると一見aは正しい選択肢に思えてしまうのだが、大切なのは長さ自体ではなく骨の長さである。ゆえにeを行えばよい。
b 鑑別の出発点として、成長曲線を作成し、どんなパターンの低身長かをみる。
c 低身長では、(1)遺伝性、(2)内分泌性、(3)思春期早発によるもの、の3パターンを鑑別する。甲状腺機能低下では(2)のパターンの低身長となる。
d 両親が低身長の場合、(1)のパターンの低身長となる。
e 手単純エックス線写真では骨年齢が分かる。(3)のパターンでは骨年齢の促進を認める。

正答率:86%

テーマ:低身長の鑑別に有用なこと

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