109F28

次の文を読み、28、29の問いに答えよ。
68歳の男性。発熱と全身倦怠感とを主訴に来院した。
現病歴:昨日から38℃台の発熱、頭痛、全身倦怠感および筋肉痛を認め、食欲も低下したため朝になって受診した。
既往歴:30年前から高血圧症の治療を受けている。
生活歴:妻、長男夫婦、小学生の孫1人と同居している。喫煙歴はない。飲酒は日本酒1合/日を30年間。
家族歴:10日前に孫が、5日前に長男がそれぞれ高熱を出して学校や仕事を休んでいた。
現症:意識は清明。体温38.4℃。脈拍96/分、整。血圧138/76mmHg。呼吸数20/分。SpO2 97%(room air)。咽頭に軽度発赤を認める。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。項部硬直を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。肋骨脊柱角に叩打痛を認めない。四肢に浮腫を認めない。
この患者の診断のため鼻咽頭ぬぐい液を綿棒で採取し、外来で迅速検査を行うことにした。
この検査について正しいのはどれか。
挿入前に鼻腔に局所麻酔薬を塗布し5分待つ。
耳孔の高さを目標に鼻孔から下鼻道に沿って挿入する。
鼻腔から挿入した綿棒の先端が軟口蓋の後方にあることを口腔から確認する。
舌圧子を用いて綿棒で舌根をぬぐう。
鼻腔に挿入したらそのまま静かに3分間留置する。

解答: b

109F28の解説

「鼻咽頭ぬぐい液を綿棒で採取」はインフルエンザ検査のことである。この検査については105C5101G56で既出。ただし、本問は手技の実際を問うており、見たこと(or 検査を実際に受けたこと)があるか否かが勝負を分ける。
a 気管支鏡の実施前には局所麻酔薬を使用するが、インフルエンザ検査には使用しない。
b 正しい。床とほぼ水平な角度で挿入する。
c 綿棒を鼻腔に挿入されている患者は苦痛が強く、口腔から観察する時間的余裕はない。
d 舌根部でのインフルエンザウイルス検出率は咽頭後壁より低い。
e cに示したように、苦痛が強い手技である。3分間の留置は耐え難い。

正答率:88%

テーマ:【長文1/2】鼻咽頭ぬぐい液の採取法

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