109C28

次の文を読み、28、29の問いに答えよ。
60歳の女性。めまいを主訴に来院した。
現病歴:昨日の午後、昼寝から起き上がろうとしたところ天井がぐるぐる回るようなめまいが出現した。横になったところ、めまいは約30秒で軽快した。その後、めまいは安静にしていると生じないが、起き上がったり寝返りを打ったりすると出現していた。今朝も同様のめまいが起こったため受診した。頭痛や難聴はない。これまでに同様の症状を経験したことはない。
既往歴:28歳時に腎盂腎炎。
家族歴:父親が脳梗塞。母親が糖尿病。
現症:意識は清明。身長155cm、体重52kg。体温36.6℃。脈拍84/分、整。血圧132/78mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(room air)。皮膚に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。脳神経に異常を認めず、腱反射に異常を認めない。運動麻痺、感覚異常および運動失調を認めない。
検査所見:血糖98mg/dL。
この患者に認められる可能性が高い症候はどれか。
耳痛
複視
悪心
視野狭窄
閃輝暗点

解答: c

109C28の解説

体位に依存する反復性めまいであり、良性発作性頭位めまい症〈BPPV〉が考えられる。難聴がないため、Meniere病など耳鼻咽喉科疾患でめまいに加えて難聴を呈する疾患はすべて除外される。
a 痛みはみられない。
b 視神経や外眼筋に異常はないため、複視はみられない。眼振と混同してはならない。
c 正しい。気持ち悪くなる患者が多い。実際に嘔吐する患者も多い。
d 視神経や網膜の障害はみられない。
e 閃輝暗点は片頭痛の症候である。

正答率:94%

テーマ:【長文1/2】良性発作性頭位眩暈症〈BPPV〉の症候

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