108G41

6歳の男児。いつも口を開けていることを主訴に母親に連れられて来院した。約半年前から、遊んでいても寝ていても口を開けており心配になって受診した。鼻漏、鼻出血はない。
最も考えられるのはどれか。
鼻茸
慢性扁桃炎
悪性リンパ腫
アデノイド増殖症
若年性鼻咽腔血管線維腫

解答: d

108G41の解説

「いつも口を開けている」という主訴は国試の過去問でも珍しく、初見ではなかなか難しい。少し考えれば、これは「常時口呼吸をしている」と読み替えられ、もう少し言い換えれば「両側の鼻呼吸が何かしらによって阻害されている」とできる。これを念頭に選択肢から消去法でアプローチすることとなろう。
a 鼻茸は慢性副鼻腔炎に伴うことが多い。その場合、鼻漏の症状がある。また、両側性の鼻茸というのもまれである。
b 慢性扁桃炎では口呼吸とならない。また、発熱や咽頭痛を呈することがある。
c 口蓋扁桃に発生した悪性リンパ腫の可能性はゼロとは言えないが、両側性に鼻呼吸が阻害されるほどまで拡大していれば、発熱やリンパ節腫脹など他の自覚症状がみられるはずである。
d 正しい。アデノイド増殖症(咽頭扁桃の増殖肥大)が考えやすい。「いつも口を開けている」のはアデノイド顔貌と呼ばれる。
e 若年性鼻咽腔血管線維腫は思春期男性に発生する良性の咽頭腫瘍。鼻出血を伴う。

正答率:89%

テーマ:アデノイド増殖症の診断

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