(1) 顔面:挫創のみ。
(2) 口腔:出血と凝血塊の喀出あり。窒息の原因となりかねず、緊急性が高い。また、どこからの出血なのか、を調べる必要あり。
(3) 胸部:右前胸部の圧痛と呼吸音の減弱あり。(血)気胸の可能性。
(4) 右下肢:外旋位で右下腿の変形と開放創あり。太い動脈を損傷している可能性もあり、精査したい。
(5) 腹部:超音波検査にて液体貯留を指摘。肝臓など大きな臓器の損傷による腹腔内出血の可能性もあり、精査したい。
以上を丁寧にチェックできれば、最も緊急性が高いのは(2)、すなわち気道確保であることが分かるはず。ただし、選択肢にはすべて気道確保についての方法が並んでおり、少しむずかしい。
a 口腔内の凝血塊を除去せずして気管挿管はできない。
b 正しい。まず行うべきである。これだけで呼吸状態が改善しない場合は、a・c・dなどを試みることとなる。
c・d 有効ではあるが、bの優先度が高い。
e 経鼻では現時点の病態に対処することは困難と思われる。
正答率:85%
テーマ:【長文1/3】交通外傷患者に行うべき処置