108E58

72歳の男性。繰り返す右上下肢の脱力発作を主訴に来院した。糖尿病、高血圧症および脂質異常症に対して内服治療中である。神系学的診察で異常を認めない。左頸部で血管雑音を聴取する。頭部MRIで明らかな脳梗塞を認めない。左総頸動脈造影像を別に示す。
治療法で適切なのはどれか。2つ選べ
動脈塞栓術
血栓溶解療法
動脈瘤塞栓術
頸動脈内膜剥離術
頸動脈ステント留置術

解答: d,e

108E58の解説

糖尿病・高血圧症・脂質異常症とリスクを抱える高齢男性。繰り返す脱力発作とあり、一過性脳虚血発作〈TIA〉を考える。画像にて左内頸動脈に狭窄があり、これにより脳血流が乏しくなっている状況と判断できる。
a 血管が狭窄している病態に塞栓術は逆効果。
b プラークによる狭窄が病態の本質であり、血栓性疾患ではない。
c 動脈瘤ではない。
d 正しい。内頸動脈狭窄部のプラーク剥離が治療となる。
e 正しい。ステントを留置し、内頸動脈の狭窄を解除する。

正答率:88%

テーマ:内頸動脈狭窄による一過性脳虚血発作〈TIA〉の治療法

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし