108D36

78歳の女性。白内障手術目的で入院中である。1年前から記銘力低下がみられるようになり、Alzheimer型認知症と診断されて薬物療法が開始され、介護サービスを受けながら独居生活を続けていた。数年来の視力低下のために日常生活での支障が大きくなり、白内障手術目的で入院となった。入院翌日、ベッドから起き上がらず、朝食も摂らず、まとまりのないことを小声でつぶやくのみで質問に対してほとんど反応がなかった。身体所見に異常はなく、血液生化学所見でも術前検査と比較して有意な変化はなかった。また、頭部CTでも半年前と比較して新たな病変はみられなかった。
最も考えられるのはどれか。
せん妄
適応障害
解離性障害
うつ病性昏迷
急性ストレス障害

解答: a

108D36の解説

Alzheimer型認知症の背景をもつ高齢女性が白内障手術目的で入院した。入院後、急に意識の混濁を認めていることから、せん妄を疑う。
a 正しい。認知症・環境の変化・夜間、などがリスクとなる。
b 適応障害も同様にストレス因子が原因となるが、本症例のエピソードから最も考えられるものではない。
c 解離性障害では自我障害が出現する。本症例のエピソードから最も考えられるものではない。
d うつ病性昏睡でも無言・無動をみるが、本症例のエピソードから最も考えられるものではない。
e 急性ストレス障害の原因となる心的外傷は生死に関するものであり、本症例のエピソードから最も考えられるものではない。

正答率:82%

テーマ:せん妄の診断

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