108A49

4歳の男児。下肢の変形と歩容異常とに気付いた母親に連れられて来院した。正常分娩で出生。出生時体重3,375g。頸定は3か月、歩行開始は1歳3か月であった。母親によると患児には食物アレルギーがあり、肉類、魚類、牛乳、卵を摂取させていないという。下肢の変形があり、歩行は不安定で跛行を認める。血液所見:赤血球435万、Hb 12.0g/dL、Ht 38%、白血球6,840、血小板23万。血液生化学所見:ALP 3,305U/L(基準296~909)、Ca 8.6mg/dL、P 2.3mg/dL。来院時の両膝部(A)と下肢(B)のエックス線写真を別に示す。
治療薬として最も適切なのはどれか。
鉄剤
亜鉛製剤
リン製剤
カルシウム製剤
ビタミンD製剤

解答: e

108A49の解説

「患児には食物アレルギーがあり、肉類、魚類、牛乳、卵を摂取させていない」とあり、エックス線写真におけるO脚と合わせてくる病の診断となる。くる病ではカルシウム、リン、ビタミンDの欠乏により、続発性の副甲状腺機能亢進症が生じ、ALPとPTHが高値を示すことが重要。
a 鉄欠乏ではない。
b 亜鉛欠乏ではない。
c・d 補っても悪くはないが、本患児ではそこまで激しい検査値の低下はなく、eに正答をゆずる形となる。
e 正しい。ビタミンD欠乏が原因であり、これを補充する。

正答率:83%

テーマ:くる病の治療薬

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