108A38

78歳の女性。手指振戦と動作緩慢とを主訴に来院した。1年前から手指の震えが出現し、次第に動作が緩慢になっていた。半年前から物忘れを自覚していた。1か月前から、誰もいないのに「人が座っている」と訴えたり、「蛇がいる」と怖がったりするようになったため、1週前にリスペリドンを少量投与したところ、四肢の筋強剛と流涎とを認めるようになった。
この疾患にみられるのはどれか。
側頭葉内側の萎縮
後頭葉の糖代謝の亢進
後部帯状回の血流低下
心臓交感神経機能の亢進
基底核ドパミン取り込みの低下

解答: e

108A38の解説

手指振戦・動作緩慢・四肢の筋強剛、というParkinsonismが出現している。「人が座っている」、「蛇がいる」という幻視があることから、Lewy小体型認知症を考えたい。リスペリドンを少量投与したら症状が増悪しており、これは106I14で出題のある「抗精神病薬に対する感受性の亢進」で説明がつく。
a・c Alzheimer型認知症でみる。
b 後頭葉の血流低下が本症の特徴。
d 心筋交感神経機能が低下する。
e 正しい。SPECTやPETにて基底核ドパミン取り込みの低下をみる。

正答率:78%

テーマ:Lewy小体型認知症〈DLB〉にみられるもの

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし