107I46

71歳の女性。全身の皮膚と粘膜のびらんとを主訴に来院した。6日前から腰痛に対して非ステロイド性抗炎症薬を内服している。2日前から結膜充血と両頬粘膜のびらんとが、昨日から全身に紅斑とびらんとが出現した。顔面と体幹の写真(A、B)を別に示す。
対応として適切でないのはどれか。
輸液
外用療法
血漿交換療法
副腎皮質ステロイドの投与
同一の非ステロイド性抗炎症薬の継続

解答: e

107I46の解説

非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉内服4日で全身の紅斑とびらんが出現している。画像A, Bをみる限り、体表面積の10%は超えているようだ。中毒性表皮壊死症〈TEN〉と考えられる。TENに対しては熱傷に準じた対応が望まれる。
a 熱傷に準じ、循環血液量を維持すべく輸液を行う。
b 軟膏の塗布が有効である。
c 血漿交換療法も有効である。
d 副腎皮質ステロイドの全身投与を行う。
e 誤り。同一NSAIDsの投与はさらなる病状の悪化をきたしかねず、禁忌である。

正答率:90%

テーマ:中毒性表皮壊死症〈TEN〉への対応

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