107G53

28歳の女性。昨夜からの悪寒、嘔吐および背部痛を主訴に来院した。2日前から頻尿と排尿痛とがある。既往歴に特記すべきことはない。身長156cm、体重54kg。体温38.4℃。脈拍96/分、整。血圧120/82mmHg。右肋骨脊柱角に叩打痛を認める。尿所見:蛋白2+、沈渣に赤血球2~5/1視野、白血球多数/1視野。血液所見:赤血球410万、Hb 13.2g/dL、Ht 38%、白血球14,000(桿状核好中球7%、分葉核好中球62%、好酸球2%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球22%)、血小板23万。血液生化学所見:尿素窒素19mg/dL、クレアチニン1.0mg/dL。CRP 10mg/dL。
尿沈渣の塗抹標本で原因菌の推定に有用なのはどれか。
Gram染色
Grocott染色
May-Giemsa染色
Papanicolaou染色
Ziehl-Neelsen染色

解答: a

107G53の解説

悪寒・嘔吐があり、発熱や白血球上昇(好中球優位)、CRP高値もみられている。この時点で細菌感染症であることは明確であろう。背部痛や排尿痛、尿沈渣での白血球多数などからは急性腎盂腎炎が考えやすい。
a 正しい。急性腎盂腎炎の原因としては大腸菌が多く、グラム陰性桿菌がみられる可能性が高い。
b 真菌の染色に用いる。
c 骨髄生検の染色などに用いる。
d 癌細胞の染色などに用いる。
e 抗酸菌の染色に用いる。

正答率:99%

テーマ:腎盂腎炎の尿沈渣の塗抹標本で原因菌の推定に有用な染色

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