107E44

7歳の女児。学級で一番小さいことを主訴に来院した。身長111cm(-2.7SD)、体重16.0kg(-2.5SD)。身体所見では、身長、体重以外に特記すべき異常を認めない。尿所見:比重1.024、蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球450万、Hb 13.5g/dL、Ht 41%、白血球7,300、血小板35万。血液生化学所見:血糖98mg/dL、総蛋白7.2g/dL、アルブミン4.2g/dL、尿素窒素12mg/dL、クレアチニン0.4mg/dL、総コレステロール130mg/dL、総ビリルビン0.9mg/dL、AST 18U/L、ALT 17U/L、CK 42U/L、ALP 650U/L(基準338~908)、Na 140mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 106mEq/L、Ca 9.5mg/dL。静脈血ガス分析(room air):pH 7.39、PaCO2 38Torr、HCO3- 22mEq/L。
診断に有用でないのはどれか。
骨年齢
成長曲線
排尿の状況
両親の身長
分娩時の状況

解答: c

107E44の解説

7歳女児の低身長と低体重。4文目以降に異常所見はないため、ほぼ情報はない。一から低身長の鑑別をさせる良問である。
a 手エックス線による手根骨をカウントすることにより骨年齢を推測できる。
b まずは成長曲線を描き、低身長のパターン分類を行うのが有効である。
c 誤り。一般的に低身長によって排尿異常がみられることはない。
d 遺伝性の低身長を鑑別すべく聴取する。
e 漠然とした選択肢で判断に迷うが、分娩時に新生児仮死がみられていた場合には脳の障害により成長ホルモンが分泌しにくくなっていることもある。この問診自体が低身長の診断に即つながるか否かは疑問だが、少なくともcより有用な情報であることには違いない。

正答率:92%

テーマ:低身長を訴える7歳の女児の診断に有用でないもの

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