107E42

38歳の初産婦。妊娠41週2日。陣痛発来のため来院した。妊娠中の経過は順調であった。入院後、陣痛は次第に増強して、4,010gの女児を経腟分娩した。陣痛発来から児娩出までに要した時間は5時間で、児娩出後5分で胎盤が自然娩出した。娩出した胎盤に欠損はない。第1度の会陰裂傷に対し縫合を行った。分娩後1時間が経過しているが、中等量の出血が持続し、ここまでの出血量は500mlに達した。意識は清明。脈拍72/分、整。血圧110/68mmHg。呼吸数24/分。下腹部痛はなく、子宮底は臍上2cmに触れる。
まず行うのはどれか。
輸血
子宮全摘術
抗DIC療法
子宮内容除去術
子宮底輪状マッサージ

解答: e

107E42の解説

分娩後の出血量が500mlに達しており、出血過多である。原因としては子宮底が臍上にあることから弛緩出血が考えられる。
a 現時点では血圧110/68mmHgと保たれており、まず行う選択肢とは言いがたい。
b 出血が止まらない場合の最終手段である。まず行う選択肢とは言いがたい。
c 弛緩出血には確かに播種性血管内凝固〈DIC〉を合併しやすい。ただし、本患者でDICをきたしている徴候はみられず、現時点では必要ない。
d 「娩出した胎盤に欠損はない」との記載より、子宮内容を除去する必要性はなさそうだ。
e 正しい。子宮底輪状マッサージや双手圧迫、子宮収縮薬の投与が弛緩出血へのアプローチである。

正答率:90%

テーマ:巨大児分娩後の弛緩出血にまず行うこと

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