107D22

32歳の男性。不眠を主訴に来院した。消防隊員として大規模災害の支援に災害発生の翌日から派遣され、厳しい状況下で2週間救助活動を行った。その後元の職場に戻り、しばらくは問題なく過ごし、むしろ以前よりも真剣に仕事をこなしていた。しかし救助活動から戻った約2か月後から何度も夜中に覚醒するようになり、いらいらして集中力も落ちてきたため産業医に相談し受診した。特記すべき既往歴はない。仕事への意欲はあり、疲労感の増大はみられない。
診断のために重要な質問はどれか。
「嫌な情景が急に浮かんでくることがありますか」
「家族につらい症状を話すと少しは楽になりますか」
「今晩も眠れないのではないかと不安になりますか」
「ひどく気持ちが落ち込んで、それが何日も続いていますか」
「以前は楽しかったことを楽しめなくなったように感じますか」

解答: a

107D22の解説

厳しい状況下で2週間の救助活動を送った後、2か月で症状が出現している。心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉を考える。
a 正しい。PTSDに特徴的な再体験に関する問診。
b 特にPTSDの診断に有用な質問とはいえない。
c 不安症や不眠症に対する問診。
d・e うつ病に対する問診。

正答率:90%

テーマ:心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉の診断のために重要な質問

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