107B50

その後、右大腿骨頸部骨折と診断し、入院3日目に全身麻酔下で人工骨頭置換術を行った。手術当日は回復室で観察し、翌日、一般病床に移動した。術後は尿道カテーテル留置と左前腕からの持続輸液を行った。術後2日目の夜に患者が不眠を訴えたため睡眠導入薬を投与した。日中は妻が毎日3時間程度来訪していた。術後3日目の深夜、患者の病室から大きな物音がしたために看護師が訪室すると、患者がベッド上に起き上がっており、静脈留置針が前腕から抜けてシーツが血液で汚染されていた。本人に事情を聴いたところ、「銀行にお金を振り込みにいく」と看護師の制止も聞かずに出かけようとした。
術後3日目の深夜の患者の状態はどれか。
せん妄
躁状態
解離状態
抑うつ状態
パニック発作

解答: a

107B50の解説

外傷、入院、手術、回復室、病室の移動、高齢者、睡眠薬服用、深夜、とリスクがあまりに揃いすぎている。「銀行にお金を振り込みに行く」と見当識障害もみられており、せん妄の診断となる。
a 正しい。上記の通り。
b・d・e これらでは見当識障害をみない。
c 解離状態にて興奮がみられることはあるも、本人と異なる別の人格がみられることが多い。他疾患を除外した後に診断することが多く、本患者ではせん妄と考えられる以上、正答とはならない。

正答率:99%

テーマ:【長文2/3】せん妄の診断

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