106I77

51歳の女性。3日前に認められた少量の不正性器出血を主訴に来院した。約1年前から月経が不規則となり、のぼせと発汗とが頻繁になったという。体温36.6℃。脈拍92/分、整。血圧142/90mmHg。内診所見上、子宮は正常大で可動性は良好である。卵巣を触知しない。子宮頸部と内膜の細胞診で異常を認めない。
状態を評価するために有用な血中ホルモンはどれか。2つ選べ
プロラクチン
プロゲステロン
テストステロン
卵胞刺激ホルモン
エストラジオール

解答: d,e

106I77の解説

少量の不正性器出血をみとめる51歳の女性である。約1年前から月経が不規則となり、のぼせと発汗とが頻繁になっている。血圧142/90mmHgと高血圧があり、内診などにより器質的異常を認めないことから更年期障害による症状と考える。
a プロラクチンは妊娠経過により増減するホルモンであり、本例の状態評価には適さない。
b プロゲステロンは更年期障害の治療として用いられる。
c 本態はエストロゲン欠乏であり、無関係。ちなみに、中高年男性のテストステロン低下による諸症状も更年期障害と呼ぶことがある。
d・e 正しい。更年期障害では加齢による卵巣機能低下とそれに伴うエストロゲン欠乏がみられ、フィードバックにより卵胞刺激ホルモンは増加する。

正答率:64%

テーマ:更年期障害の中年女性の状態を評価するために有用な血中ホルモン

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