106D57

58歳の女性。胸部圧迫感を主訴に来院した。1か月前から、早朝に前胸部の圧迫感を感じるようになった。圧迫感は冷や汗を伴い、5分程度で自然に消失するという。労作時には同様の症状はないという。喫煙は40本/日を38年間。飲酒は機会飲酒。身長163cm、体重72kg。体温36.5℃。脈拍72/分、整。血圧126/78mmHg。呼吸数20/分。心雑音を聴取しない。下腿に浮腫を認めない。尿所見と血液生化学所見とに異常を認めない。入院時の心電図に異常を認めない。入院後に施行した冠動脈内アセチルコリン負荷時の右冠動脈造影写真(A、B)を別に示す。
治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ
硝酸薬
β遮断薬
ループ利尿薬
ワルファリン
カルシウム拮抗薬

解答: a,e

106D57の解説

早朝の前胸部圧迫感を主訴に来院した中年女性。労作時に症状はなく、持続時間は5分間である。右冠動脈は有意狭窄はないが、アセチルコリンを負荷すると有意狭窄を認め、冠攣縮性狭心症〈異型狭心症〉の診断となる。治療法を問う問題であるが、喫煙もリスクとなるため下記処方の他に禁煙を勧めることも忘れてはならない。
a 正しい。硝酸薬は冠攣縮を予防する。
b β遮断薬は発作を誘発させるため禁忌である。
c 心不全症状があるわけではないのでループ利尿薬は使用しない。
d ワルファリンは抗凝固薬であり、冠攣縮性狭心症に対して不要である。
e 正しい。カルシウム拮抗薬は冠攣縮を予防する。

正答率:85%

テーマ:冠攣縮性狭心症〈異型狭心症〉の治療薬

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