106D26

3歳の男児。6日続く高熱を主訴に来院した。6日前から38~39℃台の発熱が続いており、昨日から体幹に皮疹が出現してきた。既往歴に特記すべきことはない。1歳の弟がいる。意識は清明。元気がなく、食事摂取は普段の半分以下であるという。眼球結膜に充血を認める。眼脂を認めない。口唇に発赤と乾燥とを認め、咽頭は発赤している。両側の頸部に径2cmのリンパ節を3個触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。体幹皮膚に不定形の紅斑がある。四肢末端に発赤と浮腫とを認める。血液所見:赤血球450万、Hb 13.2g/dL、Ht 40%、白血球22,000、血小板46万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL、アルブミン3.5g/dL。CRP 16mg/dL。
保護者への説明で適切なのはどれか。
「指先の皮膚がむけてきます」
「今後、重度の貧血を合併します」
「弟さんにうつる可能性があります」
「首の腫れている部分(リンパ節)は化膿しています」
「この病気にかかった子どもの半分には心臓に後遺症が残ります」

解答: a

106D26の解説

6日続く高熱の3歳男児である。6日前からの発熱、体幹の皮疹、眼球結膜充血、口唇の発赤と乾燥、咽頭発赤、両側頸部のリンパ節触知、四肢末端の発赤と浮腫、血小板46万と、川崎病の診断基を満たしている。
a 正しい。川崎病では膜様落屑がみられる。
b 川崎病では重度の貧血を合併することはなく、本症例でも赤血球は正常値である。
c・d 川崎病は感染病ではない。
e 合併症として冠動脈瘤があるが、頻度は少ない。

正答率:89%

テーマ:川崎病の3歳児の保護者への説明

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