106C10

腹部診察所見と病態・疾患の組合せで誤っているのはどれか。
下腹部の膨隆 --------- 尿 閉
腹壁の反跳痛 --------- 腹膜炎
肺肝境界の消失 --------- 消化管穿孔
臍周囲の血管雑音 --------- 門脈圧亢進症
無痛性の右季肋部腫瘤 --------- 十二指腸乳頭部癌

解答: d

106C10の解説

a 下腹部膨隆の鑑別として尿閉がある。前立腺肥大など膀胱以下の通過障害により尿閉になれば、膀胱が緊満し下腹部の膨隆がみられる。
b 腹壁の圧迫を解除した時に見られる疼痛を反跳痛という。腹膜刺激症状の1つで腹膜炎を示唆する。
c 肺肝境界の消失はfree airを疑う。消化管穿孔によってみられる。
d 誤り。臍周囲の血管雑音は腎動脈狭窄や大動脈瘤で聴取する。門脈圧亢進症では側副血行路として腹壁静脈の怒張が認められる。
e 無痛性の右季肋部腫瘤はCouroisier徴候といい、胆汁うっ滞により胆嚢が腫大するためである。十二指腸乳頭部癌のほか、膵頭部癌や総胆管癌などでも認める。

正答率:56%

テーマ:腹部診察所見と病態・疾患の組合せ

フォーラムへ投稿

関連トピック