105G62

次の文を読み、62~64の問いに答えよ。
15歳の女子。いらいらして暴力を振るうことを心配した母親に伴われて来院した。
現病歴:中学2年になり、友人関係でトラブルが起こったころから食欲がなくなり、学校を休みがちになった。自分の部屋でいやな友人の顔が浮かぶと、そのときしていた行為を最初からやり直すようになった。不潔になったことを気にして頻回に手を洗うようになった。その後も学校では普通の生活を送っていたが、家では自分だけでなく母親に同じ言葉や行動を繰り返させ、母親が正確にやり直せないとパニックを起こしたり、暴力を振るったりするようになった。
生育歴:3歳時に両親が離婚し、母親と弟との3人暮らし。小学校では成績も優秀で友人も多く、何事にも積極的な性格であった。中学で進学校に入学し、学業とスポーツに打ち込んでいた。
現 症:意識は清明。身長156cm、体重49kg。体温36.2℃。呼吸数16/分。脈拍72/分、整。血圧98/60mmHg。皮膚は冷たく乾燥している。手が荒れている。
検査所見:尿・血液検査所見に異常を認めない。
この患者の心の発達において問題となるのはどれか。2つ選べ
基本的信頼感
集団的同一性
自我同一性
統合感
劣等感

解答: b,c

105G62の解説

「そのときしていた行為を最初からやり直す」「不潔になったことを気にして頻回に手を洗う」「母親に同じ言葉や行動を繰り返させ、母親が正確にやり直せないとパニックを起こしたり、暴力を振るったりする」という記載からは強迫性障害を考える。なお、1問目は強迫性障害とはあまり関係がなく、エリクソンの発達課題を知っているか否か、が勝負を分ける。
a 基本的信頼感は乳児期の発達課題。
b・c 正しい。集団的または自我同一性は青年期(13〜19歳)の発達課題。
d 統合感は成熟期(65歳〜)の発達課題。
e 劣等感は児童期(5〜12歳)の発達課題。

正答率:51%

テーマ:【長文1/3】強迫性障害の発達問題

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