105D55

14歳の女子。学校の健康診断で高コレステロール血症を指摘されたため精査目的で来院した。1年半前から友人と一緒に食事量を減らしてダイエットを開始した。半年前からは筋力トレーニングも開始した。最近は倦怠感を強く自覚している。減量開始前の体重は43kgであった。意識は清明だが、表情は乏しい。身長151cm(-0.9SD)、体重27kg(-2.8SD)。体温35.6℃。脈拍44/分、整。血圧110/92mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟。皮膚は乾燥が目立ち、四肢に冷感を認める。血液生化学所見:総コレステロール268mg/dL、トリグリセリド82mg/dL、TSH 4.6μU/mL(基準0.2~4.0)、FT3 1.8pg/mL(基準2.5~4.5)、FT4 0.8ng/mL(基準0.8~2.2)。頭部MRIで軽度の脳萎縮を認める。
この疾患に認められる症候はどれか。3つ選べ
無月経
粘液水腫
むちゃ食い
自己誘発性嘔吐
アキレス腱肥厚

解答: a,c,d

105D55の解説

14歳女子のるいそう。1年半前からダイエットを開始しており、神経性食欲不振症と考えられる。
a 正しい。性腺機能が低下し、無月経となる。
b 粘液水腫は甲状腺機能低下症でみられる。本患者でFT3, 4が低下しているのは代償のためであり、甲状腺機能低下症のためではない。
c・d 正しい。むちゃ食いし、自己誘発性嘔吐をする。
e アキレス腱肥厚は家族性高コレステロール血症でみる。本患者で高コレステロール血症があるのは神経性食欲不振症のためであり、遺伝性の高コレステロール血症があるからではない。
※bとeの誤答選択肢が練られており、良問に感じた。

正答率:76%

テーマ:神経性食思不振症〈神経性食欲不振症〉〈AN〉の症状

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