103I80

28歳の男性。めまいと嘔気のため搬入された。1か月前から微熱を自覚していた。今朝から回転性のめまいと嘔気とが持続している。体温37.8℃。脈拍96/分、整。血圧122/58mmHg。胸骨左縁第3肋間に拡張期雑音を聴取する。水平性の眼振と構音障害とを認める。眼底に小出血斑を認める。血液所見:赤血球413万、白血球10,200。CRP 6.6mg/dL。頭部単純MRIのFLAIR像(A、B)を別に示す。
まず行うのはどれか。2つ選べ
血液培養
冠動脈造影
心エコー検査
頸動脈超音波検査
抗リン脂質抗体測定

解答: a,c

103I80の解説

めまいと嘔気を主訴とする28歳男性。頭部単純MRI画像では左小脳半球と左前頭葉に高信号域を認め、脳梗塞の診断である。胸骨左縁第3肋間に拡張期雑音を聴取するため、大動脈閉鎖不全症〈AR〉を疑う。1か月前からの微熱や眼底に小出血斑(Roth斑)を認めることから原因疾患として感染性心内膜炎〈IE〉を疑う。
a 正しい。感染性心内膜炎の原因菌の精査のため行う。
b 虚血性心疾患に対する検査である。
c 正しい。心エコーにて疣贅の有無や弁逆流の程度を評価する。
d 頸動脈狭窄の評価で行う。
e 血栓素因として抗リン脂質抗体症候群があるが、本症例はIEによる血栓性脳梗塞を疑う。

正答率:93%

テーマ:感染性心内膜炎〈IE〉の検査

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