103H33

次の文を読み、33、34の問いに答えよ。
1歳1か月の男児。嘔吐と発熱とを主訴に来院した。
現病歴:2日前の夕方から嘔吐が出現した。昨日、発熱し、嘔吐が頻回になったため近医を受診した。制吐薬を処方されたが服用できず、白色下痢も加わった。水分摂取もできなくなった。
既往歴・家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明だがぐったりしている。身長72 cm、体重10.3 kg(1週前の1歳児健康診査では11.0 kg)。体温39.2 ℃。呼吸数26/分。脈拍140/分、整。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:比重1.025、蛋白(-)、糖(-)、ケトン体3+。血液所見:赤血球450万、Hb 12.3 g/dL、Ht 40 %、白血球14,900(桿状核好中球11 %、分葉核好中球62 %、単球3 %、リンパ球24 %)、血小板49万。血液生化学所見:血糖88 mg/dL、総蛋白6.6 g/dL、尿素窒素15 mg/dL、クレアチニン0.4 mg/dL、尿酸6.9 mg/dL、総ビリルビン0.4 mg/dL、AST 66 U/L、ALT 31 U/L、LD 630 U/L(基準260~530)、Na 133 mEq/L、K 4.4 mEq/L、Cl 90 mEq/L。CRP 1.3 mg/dL。
認められるのはどれか。
浮腫
口囲蒼白
大泉門膨隆
口腔粘膜乾燥
口唇チアノーゼ

解答: d

103H33の解説

嘔吐と発熱とをきたす1歳1か月の男児である。発熱が出現し頻回の嘔吐もあり、白色下痢も加わっていることからロタウイルスによる急性胃腸炎を考える。意識は清明だがぐったりしており、1週間で0.7 kgの体重減少、尿素窒素15 mg/dl、クレアチニン0.4 mg/dlであることから下痢による脱水症を呈している。
a 体重は減少しており、浮腫は考えにくい。
b 口囲蒼白は猩紅熱にて認められるが、発疹もなく、本例とは臨床像が異なる。
c 大泉門は脱水により陥凹しているはずである。
d 正しい。脱水により口腔粘膜は乾燥する。
e 口唇チアノーゼは低酸素血症にてみられるが、呼吸状態は安定しており否定的。

正答率:100%

テーマ:【長文1/2】脱水症の所見について

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