103E58

2歳10か月の男児。最近、聞こえが悪くなっていることを主訴に来院した。耳鏡検査で鼓膜の色調変化(黄色味)と内陥とを認める。上咽頭高圧エックス線写真を別に示す。
診断に有用なのはどれか。
純音聴力検査
語音聴力検査
補充現象検査
自記オージオメトリ
インピーダンスオージオメトリ

解答: e

103E58の解説

2歳10か月の男児の難聴。耳鏡検査で鼓膜の色調変化(黄色味)と内陥とを認めることから滲出性中耳炎を考える。画像では上咽頭に軟部組織陰影が増大している様子を見て取れ、アデノイド増殖症と考えられる。アデノイド増殖症が滲出性中耳炎のリスクとなる、という頻出パターンだ。
a 伝音難聴がみられることが予想されるが、中耳炎であることが分かるのみで滲出性中耳炎の診断には直結しない。
b 語音を正確に聴き取る必要があるので2〜3歳児では困難である可能性が高い。
c 内耳性の難聴にてみられる。今回は中耳性の難聴であるため、補充現象は陰性。
d Jerger分類でI〜Vまでに分けられ、正常と伝音難聴は同じパターンを示すが感音難聴は障害部位によってII〜IVに分かれる。Vは心因性難聴である。aと同様、伝音難聴というところまでは絞り込めるかもしれないが、滲出性中耳炎の診断には直結しない。
e 正しい。鼓膜のコンプライアンスを測定する。滲出性中耳炎ではB型となる。

正答率:72%

テーマ:幼児難聴の原因検索のための検査

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