103D22

78歳の女性。物忘れを主訴に娘に伴われて来院した。夫と死別後は1人暮らし。2、3年前から娘が訪ねて行くと、物を探していることが多かった。最近「物が盗まれた」と言うことが頻繁になった。意識は清明。身長152 cm、体重45 kg。体温36.2 ℃。脈拍72/分、整。血圧136/72 mmHg。胸腹部に異常を認めない。神経学的診察では、脳神経、運動系、感覚系、腱反射および協調運動に異常を認めない。改訂長谷川式簡易知的機能評価スケールは23点(満点30)であった。脳波検査に異常を認めない。血液生化学所見に異常を認めない。頭部単純MRIのT1強調像(A)とT2強調像(B)とを別に示す。
考えられるのはどれか。
Pick病
脳血管性認知症
進行性核上性麻痺
Lewy小体型認知症
Alzheimer型認知症

解答: e

103D22の解説

高齢女性の認知症。被害妄想があり、画像では側頭葉内側(海馬など)の萎縮がみられている。Alzheimer型認知症である。
a Pick病(現在は前頭側頭型認知症と呼ばれることが多い)では人格変化や常同、無関心などがみられる。
b 脳血管性認知症では神経学的診察で異常をみることが多い。
c 進行性核上性麻痺でも神経学的診察で異常をみることが多い。
d Lewy小体型認知症では幻視が出現する。
e 正しい。上記の通り。

正答率:97%

テーマ:認知症の鑑別

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