103B42

生後5日の新生児。在胎42週、体重3,800gで出生した。生後60時間から光線療法を続けている。体温36.2℃、呼吸数30/分。心拍数120/分、整。小泉門は0.5cm、大泉門は2cm開大している。頭蓋骨はやわらかい。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は軟で、腫瘤は触知しないが、膨隆している。
新生児マススクリーニング検査で異常値を示すのはどれか。
ロイシン
メチオニン
フェニルアラニン
甲状腺刺激ホルモン
17α-ヒドロキシプロゲステロン

解答: d

103B42の解説

生後5日の新生児。在胎42週と過期産であり、腹部は膨隆していることからクレチン症を疑う。生後60時間から光線療法を続けていることから高ビリルビン血症とわかる。なお小泉門は、0.5cm以上の開大は大きいと判断される。
a ロイシンはメープルシロップ尿症にて上昇するが、けいれんなどもなく、否定的。
b メチオニンはホモシスチン尿症にて上昇するが、新生児期にはほぼ無症状の疾患である。
c フェニルアラニンはフェニルケトン尿症にて上昇するが、新生児期にはほぼ無症状の疾患である。
d 正しい。クレチン症では甲状腺刺激ホルモン〈TSH〉が上昇する。
e 17α-ヒドロキシプロゲステロンは先天性副腎皮質過形成にて上昇するが、哺乳力低下や嘔吐はみられず、否定的。

正答率:62%

テーマ:クレチン症の病態

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