103A31

1歳の女児。発熱と血便とを主訴に入院した。2日前から発熱と頻回の下痢とがあり、本日、血便がみられた。顔面は蒼白で、皮膚に軽度の黄疸と点状出血とを認める。眼瞼と四肢とに浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、潜血3+。血液所見:赤血球270万、Hb 7.0g/dL、白血球12,300、血小板2.2万。血液生化学所見:尿素窒素30mg/dL、クレアチニン1.3mg/dL、総ビリルビン2.5mg/dL、AST 40U/L、ALT 32U/L、LD 2,860U/L(基準260~530)。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本を別に示す。
考えられるのはどれか。
腸重積症
遺伝性球状赤血球症
溶血性尿毒症症候群
Schönlein-Henoch紫斑病
免疫性血小板減少性紫斑病〈ITP〉

解答: c

103A31の解説

1歳女児の発熱と血便。貧血と血小板低下、出血傾向がみられる。画像では破砕赤血球がみられている。下痢と血便があることと合わせ、溶血性尿毒症症候群〈HUS〉と考えられる。
a 腸重積症は腸管の異常であり、血球の異常をみない。
b 遺伝性球状赤血球症では球状赤血球をみる。
c 正しい。上記の通り。
d Schönlein-Henoch紫斑病〈IgA血管炎〉は血管壁の異常であり、血球の異常をみない。
e 免疫性血小板減少性紫斑病〈ITP〉単独では貧血をみない。

正答率:88%

テーマ:溶血性尿毒症症候群〈HUS〉の診断

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