102I64

54歳の男性。全身の皮疹と倦怠感とを主訴に来院した。1か月前から顔面、体幹および四肢に紅斑が出現し、徐々に拡大し、全身倦怠感を伴ってきた。上眼瞼と四肢関節の背面とを中心に紅斑がみられる。膝部の写真(A)と同部の病理組織H-E染色標本(B)とを別に示す。
第一選択の治療を開始する際、患者に伝えておくべき副作用はどれか。2つ選べ
胃潰瘍
骨髄障害
骨粗鬆症
腎機能障害
アナフィラキシー

解答: a,c

102I64の解説

顔面、体幹および四肢の徐々に拡大する紅斑。AではGottron徴候を、Bで表皮-真皮間の空砲と真皮内へのリンパ球浸潤を指摘できる。皮膚筋炎の診断。第一選択の治療薬は副腎皮質ステロイドである。この副作用を2つ選べばよい。
a 正しい。非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉の副作用として有名であるが、副腎皮質ステロイドの副作用にも胃潰瘍はある。
b 骨髄障害の治療薬としてむしろ用いられることがある。
c 正しい。骨粗鬆症は有名な副作用である。
d ネフローゼ症候群など腎障害の治療薬としてむしろ用いられることがある。
e △。ありとあらゆる薬剤はアナフィラキシーのリスクがあるため、副腎皮質ステロイドの副作用としてゼロパーセントとは言えない。が、今回の処方に際し改まって特段に伝えておくべきものとは思えないためa・cに正答を譲る。

正答率:70%

テーマ:副腎皮質ステロイドの副作用

フォーラムへ投稿

関連トピック