102H37

次の文を読み、37、38の問いに答えよ。
10か月の乳児。けいれんを起こしたため搬入された。
現病歴:2日前の朝から38.5℃の発熱と喘鳴とがあり、抗菌薬と鎮咳去痰薬の投与を受けた。今朝から機嫌が悪く、昼過ぎから全身性強直間代性けいれんを起こした。来院時けいれんは停止していたが、けいれんの持続時間は40分間であった。
既往歴:特記すべきことはない。
発達歴:特記すべきことはない。
家族歴:母親が子供のころにけいれんを起こしたことがある。
現 症:呼びかけても開瞼しない。身長73cm、体重9.2kg。体温38.8℃。呼吸数36/分。心拍数120/分、整。皮膚に発疹を認めない。眼瞼結膜に貧血を認めない。咽頭に発赤を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を1cm触知する。四肢の腱反射は軽度亢進している。
本児について単純型熱性けいれんに当てはまらないのはどれか。
発症年齢
けいれんの型
けいれん時の体温
けいれんの家族歴
けいれんの持続時間

解答: e

102H37の解説

けいれんを起こした10か月の乳児である。2日前の朝から38.5℃の発熱があり、けいれんは全身性強直間代性けいれんの型をとっていることから熱性けいれんの診断となるが、けいれん持続時間が40分間のため、複雑型熱性けいれんを疑う。
a 単純型熱性けいれんは1 ~2歳児に好発するが、複雑型熱性けいれんを疑わせる年齢である6か月未満ではないため、矛盾しない。
b 全身性強直間代性けいれんを起こしており、臨床像は合致する。
c 単純型熱性けいれん発熱をきっかけとして出現するけいれんであり、本例も体温38.8℃と発熱を呈している。
d 単純型熱性けいれん遺伝性はあり、本例も母親が子供のころにけいれんを起こしたことがあるため矛盾しない。
e 誤り。単純型熱性けいれんのけいれん持続時間は 20 分未満であるのが標準的であり、40分間持続していた本例には当てはまらない。

正答率:96%

テーマ:【長文1/2】単純型熱性けいれんの特徴

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