102G64

次の文を読み、64~66の問いに答えよ。
21歳の男性。「就職など、将来のことが心配である」という訴えで来院した。
現病歴:大学卒業を控え、就職活動でいろいろな企業の面接を受けた。しかし面接担当者の前では恐怖感があり声が出なかった。
出生・発達歴:在胎38週、自然分娩で出生した。手先は不器用であったが、言語発達の遅れはなかった。幼小児期は周りの人と視線が合わず、独り遊びが多かった。小学校では、プロ野球選手の背番号や経歴について非常に興味を持ち「プロ野球博士」と言われていた。小学校、中学校、高校では運動が苦手で、いじめられたり、からかわれたりすることが多かった。その後現役で希望の大学の工学部に入学した。友達は少なく恋愛経験もない。
既往歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。身長172cm、体重55kg。体温36.1℃。脈拍76/分、整。血圧120/78mmHg。診察室では不安な様子で下を向き視線を合わせない。
この患者に認められるのはどれか。2つ選べ
知能障害
睡眠障害
記憶障害
社会性の障害
関心・行動の制限

解答: d,e

102G64の解説

幼少期からのエピソードは自閉症スペクトラム障害〈ASD〉を思わせる。対人関係が苦手なため、21歳の現在、就職活動等で困惑を感じているようだ。
a プロ野球博士と呼ばれるくらい記憶力は高く、知能障害は考えにくい。
b 睡眠障害を思わせる記載はない。
c aにも示したように、記億障害はない。
d・e 正しい。ともにASDの典型的な症候である。

正答率:97%

テーマ:【長文1/3】自閉症スペクトラム障害〈ASD〉の症候

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