102F30

次の文を読み、30、31の問いに答えよ。
27歳の経産婦。分娩後の出血と意識レベルの低下とのため搬入された。
現病歴:妊娠38週時に陣痛が発来し、分娩のため近医に入院した。陣痛が増強し、入院18時間後、吸引分娩によって3,040gの男児を娩出した。胎盤娩出直後から凝血塊を混じる出血とともに呼吸困難と気分不良とを訴え、次第に意識レベルが低下した。
妊娠・分娩歴:1経妊、1経産。25歳時、妊娠39週で回旋異常のため、帝王切開によって3,200gの男児を分娩した。
既往歴:特記すべきことはない。
現 症:呼びかけに反応するが意識は混濁している。体温37.3℃。呼吸数38/分、浅。脈拍132/分、整。血圧70/52mmHg。顔面は蒼白。心音と呼吸音とに異常を認めない。子宮底は臍上1cm、軟、自発痛と圧痛とはない。腟鏡診で腟壁と子宮腟部とに異常はなく、外子宮口から流動性に富む血液の流出が続いている。
検査所見:尿所見:蛋白(±)、糖(-)。濃縮尿。
診断上重要でない徴候はどれか。
頻脈
発熱
低血圧
頻呼吸
意識混濁

解答: b

102F30の解説

分娩後の出血と意識レベルの低下とのため搬入された27歳の経産婦である。胎盤娩出直後から凝血塊を混じる出血とともに呼吸困難と気分不良とを訴え、次第に意識レベルが低下している。顔面は蒼白であり、現症よりショック症状であることは間違いない。外子宮口から流動性に富む血液の流出が続いており、出血性ショックに陥っていることが分かる。
a・c 脈拍132/分、血圧70/52mmHgとショック状態であり、対応すべき徴候である。
b 誤り。体温37.3℃であり、そもそも発熱とは言い難く重要とは言えない。
d 呼吸数38/分と頻呼吸をみとめ、呼吸も浅いことから注目すべき徴候である。
e 意識混濁は鑑別も多く、本例では脳血流の低下なども考慮すべきであり、診察上重要な徴候である。

正答率:87%

テーマ:【長文1/2】分娩後のショックの原因判別に有用な徴候

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