102E52

71歳の男性。腰痛と会陰部のしびれとを主訴に来院した。10年前から時々腰痛を自覚していたが、2年前から腰痛が強くなり、歩行後に右足先がしびれるようになった。3か月前からは100mの歩行で会陰部に強いしびれが生じ、尿意を催すようになった。腰かけて数分休むと症状は消失する。腰椎の前屈は正常であるが、後屈は制限されている。
この患者にみられるのはどれか。
Babinski徴候
下肢の筋固縮
ミオクローヌス
膝蓋腱反射の亢進
アキレス腱反射の減弱

解答: e

102E52の解説

歩行でしびれが生じるが数分の姿勢変更で改善するのは神経性の間欠性跛行である。膀胱直腸障害もみられており、腰部脊柱管狭窄症の馬尾型であると考えられる。
a Babinski徴候は脊髄反射であるが、錐体路障害で認められるものであり脊柱菅狭窄症では認めない。
b 筋固縮とは、他動的な動作を加えた際に抵抗があることを指す。錐体外路症状である。
c 自分の意思とは無関係に生じる不随意運動の1つである。
d 錐体路徴候である。脊髄反射であり、反射中枢はL3、L4で馬尾とは関係がない。一般的に反射の亢進とは、反射中枢よりも上位の障害で生じる。
e 正しい。脊髄反射であり、反射中枢はS1、S2である。反射の減弱とは、反射弓の伝達路のどこかで障害があることを示唆する。

正答率:77%

テーマ:腰部脊柱管狭窄症の所見(間欠性跛行)

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