102D59

21歳の女性。突然の左下腹部の激痛を主訴に来院した。子宮は後傾後屈正常大で可動性は良好、左卵巣に超鵞卵大の腫瘤を触知し、強い圧痛を認める。腹部エックス線単純写真で左側小骨盤腔に歯状の石灰化を認める。直ちに腹腔鏡下手術を行った。摘出腫瘤のH-E染色標本を別に示す。
正しいのはどれか。
胚細胞由来である。
境界悪性腫瘍である。
アンドロゲンを産生する。
両側付属器摘出術が適応である。
α-フェトプロテイン〈AFP〉が上昇する。

解答: a

102D59の解説

突然の左下腹部の激痛を呈している21歳の女性である。に来院した。左卵巣に超鵞卵大の腫瘤を触知し、腹部エックス線単純写真では左側小骨盤腔に歯状の石灰化を認めている。摘出腫瘤のH-E染色標本では毛嚢や皮脂腺など正常卵巣ではみられない組織を認め、成熟嚢胞性奇形腫の診断となる。下腹部の激痛は茎捻転によるものであろう。
a 正しい。成熟嚢胞性奇形腫は胚細胞由来である。
b 卵巣腫瘍の中では良性腫瘍である。
c 精索間質腫瘍のようなホルモン産生腫瘍ではない。
d 良性腫瘍であり、本例のように若年発症の場合には片側付属器摘出術を行う。
e 腫瘍マーカーとしてCA19-9が用いられる。

正答率:68%

テーマ:成熟嚢胞性奇形腫について

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