102C28

次の文を読み、196、197の問いに答えよ。
72歳の女性。息苦しさを主訴に来院した。
現病歴:2日前から発熱と全身倦怠感とを訴えていた。昨日の就寝時から息苦しさがひどくなり、よく眠れなかった。
既往歴:8年前から慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉を指摘されているが、治療は受けていない。
現 症:意識は清明。身長154cm、体重42kg。体温37.8℃。呼吸数24/分。脈拍108/分、整。血圧186/104mmHg。口唇にチアノーゼを認める。頸静脈の怒張を認める。心音に異常を認めない。呼吸音は減弱している。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を2cm触知する。脾は触知しない。腹部に圧痛や抵抗はない。
治療の緊急性の高さを示す症候はどれか。
発熱
頻脈
血圧上昇
チアノーゼ
頸静脈怒張

解答: d

102C28の解説

息苦しさを主訴とする72歳女性。8年前からCOPDを指摘されている。頸静脈は怒張し、肝腫大を認めることから右心不全が示唆される。口唇チアノーゼを認めることから低酸素血症があるのだろう。COPDの急性増悪と考えられる。
a 体温は37.8度と微熱であり緊急性はない。
b 発熱による頻脈で矛盾しない。緊急性はない。
c ショックバイタルでは緊急性があるが、血圧高値は緊急性は低い。
d 正しい。主訴の原因として矛盾せず、チアノーゼを有する場合は緊急性が高い。
e 頸静脈怒張も心不全徴候であり緊急性は高いが、チアノーゼを伴う低酸素血症よりも緊急度は劣る。

正答率:78%

テーマ:【長文1/2】慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉急性増悪で治療の緊急性の高さを示す症候

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