101H15

1歳の男児。健康診査で陰嚢内に両側の精巣を触知しないことを指摘されたため来院した。両側の精巣は鼠径部に触知し、大きさは正常である。
両親に対する説明で正しいのはどれか。
染色体検査が必要である。
1歳児の半数では精巣は鼠径部に存在する。
放置すると精巣腫瘍が発生する確率が高くなる。
小学生になるまでに精巣は自然に陰嚢内に下降する。
陰嚢内に精巣を固定する手術をすれば将来不妊症にならない。

解答: c

101H15の解説

両精巣が陰嚢内まで下降できておらず、停留精巣である。
a 原因は諸説あるが、胎児期のテストステロンの分泌不足や低出生体重などであり染色体異常ではない。
b 停留精巣は新生児の3%程度でみられ1歳までは自然下降が期待できる。よって、1歳半では精巣はほぼ陰嚢内に位置する。
c 正しい。精巣腫瘍だけでなく、精巣捻転のリスクも高まる。
d 精巣は温度感受性が非常に高いため、精巣の体温曝露期間が長いと精子の形成障害が生じ男性不妊となってしまう。2歳までには手術を行う必要がある。自然下降が期待できるのは1歳までである。
e 手術以前にも精巣内の生殖細胞は体温による影響を受けていると考えられ、妊孕力は低下すると言われている。

正答率:90%

テーマ:両側停留精巣児の両親に対する説明

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