101B65

正しいのはどれか。2つ選べ
電離放射線によるがん誘発は確率的影響である。
電離放射線による白内障は早期障害の一つである。
電離放射線による奇形誘発は妊娠後期の被曝で多い。
エックス線検査は月経開始後10日以内には行わない。
シーベルト〈Sv〉は放射線防護のために用いられる線量の単位である。

解答: a,e

101B65の解説

a 正しい。確率的影響とは、しきい線量(この値以上であれば必ず影響があらわれる、という値)がなく放射線に曝露した時点で一定の確率であらわれる影響である。がんや白血病がこれにあたる。
b 白内障は、放射線によって障害を受けた細胞が増殖する際に混濁することが原因であるため、晩期障害である。
c 器官形成期である妊娠初期(第4〜7週)に最も影響があると言われている。
d 健常な女性の月経では、月経がはじまってから約2週で次の排卵が起こり妊娠が可能となる。つまり月経開始から10日間ほどは妊娠している可能性が非常に低いためエックス線検査を行なっても胎児の被曝はないと考えられる。よって選択肢は逆となるが、近年ではエックス線検査で用いる線量は胎児に影響が出る線量よりも少ないと言われている。以前は「生殖可能年齢の女性の下腹部のエックス線検査は月経開始から10日以内に行うとよい」とされていたが現在はその必要はない。
e 正しい。放射線に関する単位はしっかりと把握しておきたい。シーベルトは、放射線を受けた時の人体への影響を考慮した単位である。なお、グレイ(吸収線量)は放射線によるエネルギーがどの程度物質に吸収されるかを表し、ベクレルは放射性物質で原子核が壊変する数、つまり放射線を出す能力を表している。

正答率:85%

テーマ:電離放射線・エックス線の生体への影響

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