101A20

55歳の男性。胸痛と息苦しさとを主訴に来院した。3か月前から、時々、めまいと前胸部痛とを自覚していた。意識は清明。身長166cm、体重66kg。脈拍88/分、整。血圧102/28mmHg。胸骨左縁第4肋間に拡張期雑音を聴取する。呼吸音に異常はない。肝・脾は触知しない。大動脈造影(A、B、C)と冠動脈造影(D、E、F)とを別に示す。
治療として適切なのはどれか。
IABP
僧帽弁置換術
大動脈弁置換術
冠動脈バイパス術
心室中隔穿孔閉鎖術

解答: c

101A20の解説

胸痛と息苦しさとを主訴とする55歳男性。血圧102/28mmHgと拡張期血圧が低値を認めており、胸骨左縁第4肋間に拡張期雑音を聴取することから大動脈弁閉鎖不全症〈AR〉が予想される。大動脈造影(C)では大動脈で造影剤を流入したはずが、左室が造影されていることからARを診断できる。冠動脈造影(D、E、F)では冠動脈に有意狭窄は認めない。胸痛はARにより冠動脈血流量が低下したことによるものであり、根本治療はARの治療となる。
a IABPは拡張期血圧を上昇させるため、大動脈から左室への逆流量を増加させてしまう。
b 僧帽弁は本症例では関係ない。
c 正しい。年齢が若いことから、機械弁を選択する。
d 上述の通り、冠動脈に問題はなく不要。
e 心室中隔穿孔は認めない。

正答率:78%

テーマ:大動脈弁閉鎖不全症〈AR〉の治療

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