100I9

17歳の男子。殿部の痛みを主訴に来院した。2日前運動後、左殿部に痛みを自覚し、その後同部に腫れも出現した。意識は清明。体温36.2℃。脈拍84/分、整。血圧116/72mmHg。左殿部は硬く腫脹し、圧痛を認める。血液所見:赤血球375万、Hb 11.2g/dL、Ht 35%、網赤血球4.2%、白血球6,800、血小板38万、プロトロンビン時間11.0秒(基準対照11.3)、APTT 56.0秒(基準対照32.2)、フィブリノゲン220mg/dL(基準200~400)、血清FDP 12μg/mL(基準10以下)。血清生化学所見:総蛋白7.6g/dL、尿素窒素12mg/dL、総コレステロール160mg/dL、トリグリセライド110mg/dL、総ビリルビン1.8mg/dL、ALT 28U/L。CRP 0.3mg/dL。
この患者で最も考えられる症候はどれか。
出血傾向
易感染性
運動麻痺
間欠性跛行
過粘稠度症候群

解答: a

100I9の解説

17歳男子の殿部の痛み。年齢・性別とPT正常、APTT延長からは血友病が考えやすい。フィブリノゲンが基準値下限でFDPが高値を示しているのは出血時の血栓形成による。
a 正しい。出血傾向をみる。
b 白血球のトラブルはなく、易感染性は示さない。
c 運動における麻痺は記載がない。
d 間欠性跛行は閉塞性動脈硬化症〈ASO〉や閉塞性血栓性血管炎〈TAO〉でみる。
e 過粘稠度症候群は多発性骨髄腫〈MM〉や原発性マクログロブリン血症でみる。

正答率:94%

テーマ:血友病の症候

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