100F4

24歳の女性。妊娠40週で3,300gの男児を経腟分娩した。子宮収縮は良好で、分娩5日後に退院した。退院数日後から気分が落ち込み、不眠、イライラ感が高まって、授乳をしないなど育児に対しても積極性がなくなってきた。1週すると疲労感を訴え、思考力、集中力も減退し、動作も鈍くなり、家族が心配して近医を受診させ、スルピリドの投与を受けている。
産褥1か月目の健康診査時に認められる可能性が高いのはどれか。
後陣痛
赤色悪露
子宮留膿腫
子宮復古不全
乳汁分泌亢進

解答: e

100F4の解説

分娩後に気分が落ち込み、不眠、イライラ感が高まっている24歳の女性である。疲労感を訴え、思考力、集中力も減退し、動作も鈍くなっていることよりマタニティーブルーに陥っていると考えられる。抗ドパミン作用のある抗精神病薬であるスルピリドの投与を受けていることからは、薬剤性の高プロラクチン血症の合併を疑わせる。
a 後陣痛は産褥3日頃まで生じるが、分娩1か月後も持続することは殆どない。
b 赤色悪露は産褥3日頃までみられる。産褥1か月目の健康診査時であれば、すでに正常色(白色)に近づいているものと考えられる。
c 子宮留膿腫は性感染症により生じるが、本例とは臨床像が異なる。
d 子癇出血などの子宮復古不全を疑わせる所見に乏しく、考えにくい。
e 正しい。スルピリド内服により高プロラクチン血症となり、乳汁分泌が亢進する。

正答率:81%

テーマ:薬剤性高プロラクチン血症の症状

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