100D27

44歳の男性。会社の健康診断で糖尿病と高血圧とを指摘されて入院した。自覚症状はない。夜間、排尿に起きることはない。身長170cm、体重78kg。脈拍72/分、整。血圧144/98mmHg。血液所見:赤血球474万、Hb 15.4g/dL、Ht 46%、白血球6,200。血清生化学所見:空腹時血糖130mg/dL、HbA1c 6.4%(基準4.3~5.8)、総蛋白7.0g/dL、アルブミン4.4g/dL、AST 48U/L、ALT 52U/L、LD 324U/L(基準176~353)。受け持ち医は研修医(中村)と指導医(佐藤)である。ある日の診療録を別に示す。
診療録記載の問題点はどれか。
問題指向型医療記録〈POMR〉になっていない。
不適切な略語が多く使用されている。
読みやすい字で書かれていない。
指導医の確認がされていない。
不適切な修正が行われている。

解答: d

100D27の解説

a S→O→A→Pの順に記載できており、POMRになっている。
b FBS(空腹時血糖を意味する)やS3, S4(III音、IV音を意味する)といった一般的な略語が用いられているのみである。問題ない。
c 読みやすい。
d 正しい。指導医のチェックに関する記載がないため、確認はされていないものと思われる。
e 二重打ち消し線に名前を示して訂正されている。問題ない。
※今や、電子カルテ全盛の時代であり、こうした手書きカルテを目にする機会は少なくなった。電子カルテでは修正しても、その履歴が必ず残る。また、当然ながら誰にとっても読みやすい字で記録される。cやeの議論は時代遅れな感が否めない。
※実臨床で複数名の研修医を担当している指導医が、すべてのカルテに目を通すことは(理想的ではあるが)不可能に近い。研修医になりたての時期には、指導医にチェックしてほしい事項は直接相談することを勧める。

正答率:80%

テーマ:診療録〈カルテ〉記載の問題点

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