100A10

46歳の女性。目が覚めたとき耳鳴りと両眼の視力低下とに気付いて来院した。5日前から微熱と頭痛とが続いている。視力は右0.1(0.8×+3.0D)、左0.08(0.7×+3.5D)。眼圧は両眼15mmHg。結膜、角膜、水晶体および硝子体に異常はないが、両眼とも前房に細胞を認める。右眼底写真(A)と右蛍光眼底造影写真(B)とを別に示す。
診断はどれか。
Behçet病
Vogt-小柳-原田症候群
トキソプラズマ症
サルコイドーシス
真菌性眼内炎

解答: b

100A10の解説

内耳症状と視力低下、全身症状を認めている。眼所見は眼底と前房の炎症細胞のみであり、この条件を満たすのはVogt-小柳-原田病である。画像では、造影検査で漿液性網膜剥離を認める。
a 非肉芽腫性疾患で虹彩毛様体炎を起こすことが多い。所見としては前房蓄膿が重要である。全身では粘膜・皮膚病変がみられる。
b 正しい。全身(主に皮膚・内耳・脈絡膜)のメラノサイトへの自己免疫疾患である。急性期には滲出性網膜剥離や乳頭浮腫が生じることで視力が低下し、回復期に夕焼け状眼底を呈する。
c 眼トキソプラズマ症では網脈絡膜炎がみられる。境界不鮮明な白色の病変がみられることが多い。
d 全身性の非乾酪性肉芽腫性疾患である。眼症状では豚脂様角膜後面沈着物、雪玉状硝子体混濁、網膜静脈周囲炎が重要といえる。
e 手術後や中心静脈栄養下、免疫低下者でみられやすい。原因としてはカンジダが多く、硝子体混濁や網膜の黄白色滲出斑、網脈絡膜炎がみられる。
104I71とほぼ同一問題。

正答率:84%

テーマ:Vogt-小柳-原田病の診断

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